よく動く手

園長コラム
 先日、お昼時の年少組に顔を出しました。子ども達はちょうど、お弁当の準備をしていました。かばんからお弁当・手拭き・箸などを取り出して、テーブルに並べていきます。カバンのファスナーを全開にしないとお弁当箱が出しづらかったり、箸やスプーンが転がってしまったり・・・たどたどしいながらも小さな手が一生懸命動きます。年少児は4月から始まった園生活のなかで「自分の手」で出来る事が増えてきました。また進級児は、身の回りの事に加えて雑巾を洗ったり絞ったり、テーブルを友達と協力して運んだり・・・年長児になりますと、朝顔の種を植えた植木鉢に丁度良く水をあげようとすることも(植木鉢の底から水が出るくらいと教えてあげると)出来るようになってきました。
 これらのことは単に生活習慣の自立という観点だけでなく、感覚や指先の発達が脳の発達に繋がり、それが心の豊かさになっていく意味のある行為なのです。
 遊びも有意義な体験ばかりです。蛇口をひねりバケツに丁度良いところで水を止め、それをこぼさないように運んだり、泥を程よい硬さにしてお団子・きれいな球体を作ること、布を畳んだり、紐を結んだりほどいたり・・・。子どもは夢中になると何度も繰り返し楽しみます。自然と指が器用に動くようになり、子どもはますます難しいことに挑戦していきます。
                                     
 かたや大人の生活環境はとても便利になり、電化が進み「スイッチを押す」だけでいろいろなことが出来き、センサーで水がでてトイレでも自動に洗浄してくれます。そしてこれからは、「〇〇〇〇、電気つけて!」、言葉だけで操れる時代です。
私が痛感するには、せめて幼児期(できれば小学低学年頃)までは便利すぎるものを大人が我慢して、子どもの手が動く生活を大切にしてほしいと思います。
そして、子どもは初めから上手にはできません。出来るようになっていく過程に合わせて大人が手を貸しながら、あせらず付き合ってあげましょう。最近、スプーンからお箸への移行が難しいお子さんが増えてきました。移行期には食材を不慣れな箸使いでも持ちやすい大きさに切ってあげたり、食べこぼしが気になっても叱らないなど大人の配慮が子どもの助けになります。(案外、矯正箸に頼りすぎてしまうと後々こじれてしまいがちです。) さて年長さん、こんなことできますか? 〇張った水を手ですくって顔を洗う 〇みかんの皮をむく 〇輪ゴムでしばる 〇洗濯ものを畳むお手伝いをする・・・
 
 子どもは自分自身で動いて、感覚や手足を通して、外の世界と出会い、多くの事に気づいていきます。よく動く手足は、将来主体的な行動力、よく巡る頭や心を育みます。
 
園 長   手 塚 映 子

2018年5月24日

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