認めてあげる

園長コラム

 先日、年少の男児が1 階のトイレからうれしそうに出てきました。そして、保育室の戸を開けるなり、大きな声で「先生!! ひとりでトイレ行ったよ。」と報告し、担任の「良かったね!!ひとりで出来たね。」のことばに満足した表情で保育室に入っていきました。
 今、年少児は自分の手で出来ることがひとつひとつ増え、小さな自信をつけている最中です。生活習慣はもちろん、遊びでも様々な発見をし自分の可能性が広がっていく有意義さを実感していると思います。その延長線にいる年中・年長児も同様です。

 「逆上がりが出来たよ。」「つるつるのお団子だよ。」「桃色さんのお手伝いをしてあげた・・」子どもは特に上手くいった時、大人に注目してもらい認めてもらいたいと思っています。大人の私達は、子どもの積極的なアピールや、大人自身がもともと願っていたことが出来た時に褒めてはっきりとした対応がしやすいものです。普段はどうでしようか? 日常の中で、大人側の要求が多くなりすぎて、つい指示ことばが中心になっていないでしようか。

 「美味しいね。」「きれいだね。」「楽しかったね。」と共感し合うことや「○○してくれてお母さんは嬉しかったよ。(助かったよ)」「ありがとう。」とお母さんの気持を返してあげると子どもの心に素直に響きます。また、子どもが何気なく行っている行為に、「友達に貸してあげられたね。」と言葉を添えてあげると、子どもが自分の「善い行い」に気がつき、次もそうありたいとと思えるようになってきます。
 話を広げれば、子どもの「小さなステップ」を認めてあげることも大切です。例えば、よくあるお母様からの相談に、朝の着替えを子どもに任せていると滞ってついつい厳しい口調になりその繰り返しの毎日に悩むといったことがあります。大人は着替えを大きくひとくくりにして考えていますから、全部出来たら褒めてあげようとは思っているでしょう。そこを、過程の中で、「ズボンがはけたね。」「○○までは出来たじゃない。」と小さなステップで認めてあげるだけで、子どもは次に進みやすくなります。特に、子どもが年中や年長になりますと、大人が「出来て当たり前」と思い込みすぎて、出来なかったときの対応の方が強くなりがちです。

 かといって、不自然に言葉かけが多くなったり、大げさに褒めて、大人が無理をすることでもありません。バランスの感覚も必要です。
 ここまでを、「ことばかけ」という観点で書いてきましたが、実は、子どものよいところ・子どもなりにがんばっている姿が見えてくる“まなざし”があってこそ、ことばは自然にでてくると言えましょう。そしてその“まなざし”は、大人自身が多くの制約・緊張・思い込み等を抱えていると、開きずらいものです。

 園生活で子ども達は自由に遊んでいるときにも先生の存在を心に留めてすごしています。うれしいことがあった時に思わず先生の姿を探し、先生がその明るい視線に気づき微笑み返せば、子どもの喜びは一層深くなります。また、いたずらをする前に、先生の顔を見る子がいます。先生はすぐに事情がわかりますから、首を振り「しないよ。」というサインを送り、「やっぱりダメだよなぁ・・・」と言った表情をして諦めます。

 先生はいつも私達を見ていてくれる。私達のありのままを受け入れ、認めてくれる。そして、いけないことは、叱ってくれる。

 そのような素直な信頼関係を大人と持てる子どもはとても幸せです。

2010年5月27日

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