1. 子どもが子どもらしく居られる為に

子どもが子どもらしく居られる為に

園長コラム

 先日、神奈川のある幼稚園で保護者むけにお話をする機会がありました。声をかけて下さった園長先生とは20 数年前よりお付き合いがあり、共にシュタイナー教育を学んできた仲間のお一人です。講演のテーマが「7 歳までの子どもの育ち」でした。私は話を広げすぎてしまい、皆さんのご希望に添えたかどうか心配になりました。
すると、とても良い質問をして下さったお母様がいらして、その問いに答えることで、私はとても大切なポイントをあらためて整理しお伝えすることができ、ほっとしました。

 その質問は、「子どもらしい子どもというのはイメージが湧いてきたけれども、早くから大人のような子どもにしないというのは、どういうことなのでしょうか?」というものでした。

 幼児は「やってみたい!」という意志の力に満ち溢れて、柔らかい身体がまず動きます。触ったり、走ったり、、、幼児はいつも何かに夢中になっています。そしてその過程にはいろいろなことが起こり、結果も様々なものとなります。幅広い可能性があり、特に遊びの中では失敗成功などは関係なく、子どもは瑞々しい感覚で多くを感じ取り、思いがめぐり、最後に考えに至ります。(理解に繋がっていきます。) そして、次の行動に生かされていきます。
その生命力ともいえるような伸びやかさを大切にしてあげたいと思います。また、幼児期は行動力と人として基本的な感覚が育つ時期とも言えます。
 さて、大人の場合は経験や知識を積んで、私という自我をもって判断します。考え、思うことから始めますから、目的や意味がある行動がほとんどです。大人の私達は前もって調べたり説明を受けることで、合理的な行動をとろうとします。
 その違いは大きいもので、大人は子どもを納得させようと多くの言葉で説明しまいがちです。子どもを導く時は、長すぎる理屈より、「○○しよう。」と動詞で言ってあげた方が気持ち良く伝わります。また、子どもが気がついて自身の感覚が主体的に働きだす前に、「ああ、これはねぇ、○○と言って、△△から出来ているんだよ。」と大人が説明しすぎてしまいますと、知識は頭に入っても、その匂いや色を感じようとする子どもの感覚の窓は閉じていきます。早くに知的な面から目覚めていきますと、子どもは物事にさめた態度をとるようになってきます。そして言葉では分かっているようなことが言えても、心や動きがともわない不調和が生じます。
 私達は、子どもが大人と同様に分かって動いてくれれば、とても助かります。けれども、7歳、長くて9歳頃までは、大人だけが知っていればよいこと、大人が分かっていて上手く子どもをリードすればよいことを、黙って引き受け、担ってあげたいものです。
 今、幼児本来の柔軟性のある無我夢中の世界を守ってあげること。将来人生の本番を、周囲から多くのことを学びとれるセンスを持って、主体的に行動できる人になってほしいという願いに通じます。

2010年6月29日

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