1. アイコンタクト

アイコンタクト

園長コラム

 子どもはうれしいことがあると、一番に伝えたい人の顔を見て笑いかけます。それはお母様やお父様であり、幼稚園では担任です。その大人が笑顔で応えてあげますと、その喜びはますます大きなものになります。目と目とが合うことは心が通じ合う行為であって、人間特有な感覚や意識の働きが関わっています。
 その「見つめる」ということがまだぼんやりとしか見えていないような赤ちゃんの頃から始まっています。誰が教えたわけではないのに、授乳の際、赤ちゃんはごくごくおっぱいをのんでは、口の動きを止めてじっとお母さんの顔を見つめるといいます。見つめるとまた、ごくごく飲み、一定のリズムをとるかのように繰り返します。これは、動物の世界では考えられないことだと学者は説いています。なぜなら、食する行為は命に繋がっているのだから、おっぱいを飲める時に出来るだけ早く飲んでおくことが自然であり、止めるというのはとても非効率と言えます。それでも、人間の赤ちゃんはお母さんの顔を探し見つめようとします。
それは、正しく、人間が食物のエネルギーや栄養素だけで大きくなるのではないと語っています。目があった時に、お母さんが「美味しいね。」「たくさん飲もうね。」と話しかけたり、穏やかな表情で答えてあげるだけでも、赤ちゃんは満足です。投げかけ返ってくる・・・“相手を感じる”、コミュニケーションの第一歩です。ついお母さんがテレビや雑誌をみながら、携帯を手にしながら授乳していますと、この大切な機会を逸してしまいます。大人がパソコンや携帯のメールなどに夢中になっている視線は、とても硬く冷たく感じます。子どもの前での使用を出来るだけ少なくする工夫が幼児・小学校の低学年くらいまでは必要に思います。

 最近、目が合わない子どもが増えた、目を見て話ができない若者が増えた・・・と耳にします。大きくなった子どもに、「目を見なさい。」と直接注意する前に、周囲にいる大人があたたかい眼差しをもって、幼な子の視線にこたえてあげる努力をしていきたいものです。そして、子どもの眼差しからいろいろな心模様を感じとってあげられる感受性をもった大人でいたいとも思います。
 人間は動物にはない意識の世界を持っています。その意識の成熟は、大人の手本があってのことです。後々の勉強やインターネットによる情報で獲得できるものではありません。複雑になった時代だからこそ、「人が人を育てる」ということにきちんと向き合っていきたいと思います。

2012年10月30日

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