1. 実感し納得する

実感し納得する

園長コラム

 4月の年少児は、幼稚園の楽しさと親元を離れた寂しさの間に立ちながら、少しずつ園生活に慣れ親しんできました。お母様がついていた子どもも、先週から離れるタイミングがつくられ頑張っています。

毎年ながらこの過程をみていますと、幼児の純粋な思いに寄り添う大切さを感じます。

 本園では入園当初、緊張・不安が高い子どもを無理に保護者から引き離すようなことはせず、母子分離のステップを徐々に踏んでいくようにしています。お母様には「お手伝い」をお願いし、木のチップを磨く・雑巾を縫うなど、いつも決まった場所に座って頂きます。すると、子どもは「お母さんは帰らない」と安心します。

そして、できるだけお母様から子どもに言葉がけをしないようお願します。

 それは、子どもの意識が担任や友達に向くようにするためです。お母様の傍から離れなくても、子どもの視線はクラスに向かいよく観察しています。担任に話しかけられて、にこにこ出来なくても心のなかではうれしいのです。そのうちに、じっとしているのがつまらない、遊びたいと心が動き、行為になっていきます。それを待つことがとても大切なのです。どのお母様も心配のあまり、つい「ままごとが楽しそうだよ。」「先生が呼んでるよ。」と働きかけてしまいがちなのですが、子どもはお母様との関係にもどってしまい「お母様の手助けがないと何もできない」と不安になってしまうものなのです。

 そのような積み重ねがあって、自然と「お母さん、帰っていいよ。」と言える子どももいますし、担任がきっかけをつくる場合もあります。すると、外遊びの際に、「お母さんは、お家に帰ってお掃除してくるからね。」と子どもに伝えて、帰って頂くようになります。子どもは大泣きです。お母様もつらいでしょうが、子どもは担任に信頼を寄せています。担任にしっかりしがみついて泣いている姿に、「離れるのはわかっているのだけれど、、悲しい。」そんな気持ちが伝わってきます。

 その時、担任は多くの言葉を使っても子どもが泣きやまないことを知っています。ただ寄り添い、泣くことを叱りもしません。「おやつを食べたら、お迎えに来るからね。」3歳にわかりやすい目安を言ってあげますが、説得しようとするのではありません。子どもは日に日に泣く時間が短くなり、自分から、「おやつを食べたらお母さん来るよね。」と言いながら、自分で納得していきます。

 そして遊べるようになり自信がついた表情が見えてきて、私達は、子どもがその過程を乗り越えた成長を大きく感じます。

 この事は年中年長にも置き換えられます。年齢とともに、大人の言葉かけに対する反応や理解は深まっていきますが、私達大人と同じような仕方で物事を納得していくものではありません。大人は長く生きてきた分、多くの実体験を積み、知識も豊富です。そこから発する言葉には間違いはありません。しかしながら、幼児に向き合う時、私達大人は子どもを説得させる理屈ばかりを探そうとせずに、子どもが気づき実感を深め、納得していくような機会を見逃さずに一緒に向き合っていく辛抱強さを持っていたいものです。そのようにしていくなかで、子どもの心に届く言葉かけやきっかけもわかってきます

                      園長  手 塚  映 子

 

 

2015年4月30日

< 2015.4.30  |  一覧へ戻る  |  朝顔 >

< 前ページ  |  一覧へ戻る  |  次ページ >

最近の画像

このページのトップへ

このページのトップへ

動画説明会申込フォーム