想像力を育む

園長コラム
 先日、年少児の保育室に入りますと自由遊びの時間でした。それぞれにとてもよく遊んでいましたので、私は椅子に座ってしばらく眺めていました。
布を身にまといままごとをしている女の子、毛糸編みの紐を見つけては椅子に結んでいく男の子、木の器に羊毛を詰めて「先生、ご飯を食べて!」と何度も私に届けてくれる子ども・・・嶺町幼稚園のシンプルな玩具に子どもの想像力が加わって遊びになっていく様子がありました。この年齢の遊びは偶然始まり、気に入りますと何度も繰り返し、目的をもっていません。〝見立て遊び〟は大人からすると幼稚に感じがちですが、実は遊びの原点でとても大切な体験です。
  
 またある日、園庭の砂場で多くの木片を使って「ドラゴン」を作った年少の男の子達がいました。はじめは木片を並べているうちに恐竜の骨に見えて、その気になって作っていたところ、友だちの手がぶつかり壊れてしまい・・・、がっかりした子どもを担任が励まし、作り始めを少し手伝ってあげたそうです。すると子ども達が「これはドラゴンにしょう」となり、とても大きなものが出来上がりました。
 子どもが私に「これは、サメを食べるよ。」とドラゴンが生きているかのようにいろいろ説明してくれましたので、私がその気になって「今にも動きそうだね。」と言いますと、その子は「先生、違うよ!!これは動かないよ。」と真剣に教えてくれました。そして「このサメは死なないよ。」と生きているかのような話が続きました。
とても不思議なやりとりですが、これは子どもが本当でないことはわかっている上で自分の想像のなかでほんとうのように遊んでいるという表れです。脳生理学から捉えて高尚な能力と言って良いでしょう。そして友だちとその想像の世界を共有できるから遊びは楽しくなります。お母さん役の子がお母さんに見えないとおままごとになりませんね。そのほんとうは見えてないのだけれど見えるという能力が一層遊びを充実させ、年中児になりますと友達と作る〝ごっこ遊び〟が盛んになり、年長児になりますと目的やルールをもった遊びに発展していきます。
 
 筋肉が日々の運動で鍛えられていくように、幼児期の想像力は日々の遊びを通して豊かになっていきます。そして想像力は、人を想える力(思いやり)・物事を見通せる力(洞察力)・知識を具現化していく力(知恵)など、年齢と共に様々なものに変容していきます。幼児の仕事は遊びです。幼児は遊びから学び、友達と出会い・自身を成長させていきます。                             
園 長   手 塚 映 子

2019年6月26日

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