1. 収穫体験を通して

収穫体験を通して

園長コラム
  入園・進級して1か月がたちました。初めは緊張していた子ども達も、「おはようございます!」と大きな声であいさつをしてくれるようになってきました。子ども達の元気な声に私もいつも力をもらっています。クラスにも慣れてきた様子で、進級児は新しいクラスの友達とだいぶ親しんで遊ぶようになってきました。
 
 幼稚園の正門横にサクランボの木があります。先日、鳥よけのネットをつけているとき、年少児が多く集まり興味津々でした。一緒に手伝おうとする子、落ちたサクランボの実を集める子、じっくり私の動きを観察する子など、興味の示し方は人それぞれです。「実が赤くなったらみんなで食べようね」と声をかけると、どの子も笑顔になりました。
”何をしているのだろうから、サクランボの木に実がなっている、そして食べれるんだ”と、一連の流れがイメージできたのでしょう。実が熟し、もらったときは、すぐに口に入れる子、友達の様子を見ながら食べる子、ずっと掌の上においている子もいます。考えながら、思い思いにサクランボと向き合います。私たちはそのような時間を大切にします。食べた次の日には、「先生、食べたサクランボ見せてあげるよ」と、私の手を引っ張ってサクランボのところまで連れて行ってくれる子もいました。嬉しかった体験として、周りに積極的に伝える姿はとても頼もしいです。
 縦割りクラスになると観察の仕方が深くなってきます。二つ繋がっているサクランボを見て「兄弟だ」と豊かな発想をしたり、半分赤くなったサクランボを見て「明日食べれるね」と先を見通したり、「あそこにも隠れているよ」と細かな観察をしたり、サクランボの数を100まで数えて、数式の導入につなげる子もいます。小さな一コマですが、子ども達にとっては、頭をめぐらす時間です。
私たちは、そのような子どもの発見や言葉を、できる限り膨らませます。「そうだね」「すごいね」だけではなく、「そこに気づいたんだね、ここはどうだろう」「明日になるとどんな色になるだろう」「この緑の実は何日位したら食べれるだろうね」「他の実も同じかな」などと会話をします。そこからまた興味の幅が広がり、探求心の芽生えになってくれればと思っています。
 
 嶺町幼稚園ではこのような収穫体験が多くあります。梅の実を梅ジュースにしたり、ゆっくりオレンジに染まっていく夏ミカンを食べたり、トマトやキュウリ、クラスでは、いんげんを栽培したりします。食べ方もそのまま食べるだけでなく、ゆでたり、塩もみしたり、スープにしたりと多様です。楽しみにしていて下さい。
園長 齊藤晴彦

2021年4月28日

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