失敗から学ぶ

園長コラム
 夏休みは暑い日が続きました。皆様休息を取りながら、工夫した日々を過ごされたことでしょう。本日から2学期が始まります。2学期は運動会、遠足、縦割りクラスでは音楽会と、行事の多い学期となります。行事に取り組む過程を大切にしながら、一人一人の心が成長していくよう、その子なりの達成感を味わえるよう、丁寧に子ども達と向き合ってまいります。2学期もどうぞよろしくお願い致します。
 
 先日こんな話を聞きました。子どもが泥団子でお餅を作っているときに、本当のお餅を作ってみたいと言ったそうです。その子は、お餅はお米からできるから、お米を用意してほしいと母親に言いました。その子なりの知識から提案したのでしょう。母親はそれだけでは難しいと思いつつもお米を用意し、その子はおもちつきの体験からお米をこねて、ついてお餅を作りましたがうまくいきませんでした。そこで母親はどうやったらお餅になるかを子どもと一緒に調べ、もち米が必要なことにたどり着きます。そして次はもち米を使ってお餅づくりをすると、無事にお餅を作ることができたそうです。この話の中で、もちろん最初の段階でもち米の提案をすることもできましたが、普通のお米で失敗し、そこから自ら調べてもち米にたどり着いたことに大きな意味があると思います。この体験はこの子にとって、生きた学びになったのではないでしょうか。
 
 私たちは子どもが失敗しないように声をかけがちです。もちろん人を傷つけることやけがをしそうなことに関しては事前に声をかける必要はあります。しかし、子どもたちの行動を見ていると、明らかにこのまま続けると失敗すると予想されることもあります。そのようなときは、時にはやらせてあげることも必要です。しかし、ただ単にやらせるのではなく、子どもの動きやすい環境を大人が配慮することが、子どもの助けとなります。具体的には、
 
○子ども達へのお膳立て
使うものは子どもにとって使いやすいものかどうか、動線は確保されているかどうかなど、環境を意識してみましょう。すると安心して物事に取り組めるようになり、成功の確率も上がってきます。一緒に事前準備をすることもおすすめです。また、遊ぶ際に、「自由に遊んでいいよ」と言って、汚れたことなどを注意することがあれば事前に制限を加えるなど、子ども任せにしすぎないようにしましょう。大人が選択肢を提案してあげることで、子どもの挑戦を見守りやすくなります。
 
○声のかけ方の工夫
真剣に取り組み失敗したときに、「だからいつも言っているでしょ」ではなく、「挑戦してみたんだね」「もっとうまくいく方法はあったかな」など、過程にふれる声かけを意識してみましょう。このような声かけから、子どもは自分なりに改善点を考え、もっと努力するという検証もされています。大人も一生懸命やったうえでの失敗であれば次につながります。時には親の失敗談も伝え、色々なことがあって構わないことも教えてあげながら、失敗からの改善の機会を作っていきましょう。
 
 大切なのは、失敗した時に、大人と一緒に解決策を考えることで、そこから学ぶ力を身につけていくことです。困難にぶつかっても、そこから学び、再び挑戦するたくましさを、失敗を乗り越える経験から学ばせてあげたいですね。
 
 園長 齊藤晴彦

2023年9月 5日

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