1. 暑い夏に思うこと

暑い夏に思うこと

園長コラム
 今年も暑い夏になりました。夏休みの預かり保育では、熱中症指数系を見ながら、プールに入ったり、短時間園庭に出たりしました。時には一日室内ということもありましたが、室内にトランポリンを置いたり、制作を工夫したりしながら、子どもたちが楽しく過ごせるように過ごしてまいりました。皆様も夏休みの計画を立てるにあたって、多くの配慮をされたことと思います。この暑さは毎年続くでしょう。変化する気候の中で、子どもの体をどのように育て、体験をどのように保証していくかを私たち大人がしっかりと考えてあげたいですね。
 その一つとして、暑熱順化があげられます。暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。人は運動や仕事などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇します。体温が上がった時は、汗をかくことによる気化熱や、心拍数の上昇などで、体温を調節しています。この体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。つまり、汗をかくことで体温調整の機能を作り、熱中症になりづらい体を作っていくのです。暑熱順化を進ますためにも、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切です。熱くなったからすぐにエアコンに頼るのではなく、適度な室温にとどめる、屋外遊びを意識的に取り入れてみることも必要です。ただ、幼児は暑い・寒いを言葉で伝えることが難しく、楽しい気持ちが先行してしまいますから、顔色や、汗などに気をつけて、暑くないか、寒くないかなど、こまめに確認してあげる必要があります。そのような配慮をした上で、時間を決めながら汗をかく体験を十分にさせてあげましょう。
 それでも暑くて外に出ることが難しい日もあるかと思います。そのような時は、部屋の中でできることを考えてみましょう。体験とは、どこかに連れて行ってあげることばかりではありません。親子で心が通い合うことも体験の一つです。刺激の少ないご家庭で、一緒に遊ぶ・物事を成し遂げることで作られる共に喜び合う体験は、かけがえのない時間です。
 
 同時に地球温暖化対策で私たちができることを子ども達に伝えていくことも必要です。水は出しっぱなしにしていないか、電気はこまめに消しているか、冷房暖房の温度設定は最適か、冷蔵庫は開けっ放しにしていないか、気温に合わせた洋服を着ているか、ごみの分別はしっかりとできているか、無用に袋等を使っていないかなど、子ども達が意識できることもあります。早寝早起きも温暖化対策の一環です。
 気候の変動の中で、私たちが何ができるかを考えながら生活していきたいですね。
 
園長 齊藤晴彦

2024年9月 5日

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