1. 劇ごっこの姿から

劇ごっこの姿から

園長コラム
 たて割りクラスの音楽会が終わり、2学期も残り1か月を切りました。2学期後半の幼稚園は、行事の取り組みを遊びで模倣する姿が多く見られます。年長児のリレーに刺激を受けた年中児が木の枝をバトンに見立ててリレーをする姿、劇ごっこを鑑賞した年少児がステージを作って踊る姿など、憧れる気持ちからなりきって遊ぶ姿に、ほほえましさを感じます。
 
 音楽会の劇ごっこは、子どもと一緒に作り上げていきます。担任が作った劇を基本に、子どもたちが動きやすいように劇をやりながら表現を加えていきます。時には子どもに案を聞き、できるだけ取り入れるようにします。子ども達は、「ボールを使ったらどうだろう」「みんなで歌ってみよう」など自ら考案し、自分たちで考えた動きには一層やる気が出てきます。年長児が、動くタイミングを年中児に伝えたり、肩をたたいて劇に集中できるように気づかせてあげたりもします。初めは年長児に引っ張られていた年中児もしだいに動きに慣れ、安心して一緒に表現するようになります。中には、自分以外の役のところでセリフが出たり、思わず座りながら体が動いてしまうこともあります。それだけ劇に入り込んでいるからです。そして同じ役の子同士で息を合わせて表現することで、達成感を得、満足感や充実感に満ちた表情を浮かべます。
 音楽会を行う過程で、どの子もわくわくする気持ちや、息を合わせる心、自己表現する喜びなどを得ました。年中児は役になりきってセリフを言う体験が普段の自己表現力を豊かにしています。年長児は、感じたこと、考えたことをみんなに分かる言葉で伝えられるようになってきました。クラスの仲間と一緒に作り上げるから楽しいと思えるようになり、イメージを共有すること、息を合わせて表現することをみんなで楽しんでいます。そして、一つの目標にむかってクラスで取り組んだことで、年中・長児の仲が深まり、一緒に遊ぶ姿も多くみられるようになってきました。砂団子の作り方やフラフープの回し方を年中児に伝えている年長児の姿に、頼もしさを感じるとともに、思いやる気持ちが育っていることをうれしく思います。年中児も自然に年長児の話を聞き、新しいことができるようになったことをとても喜んでいます。このやさしさの伝承がまた次の学年に受け継がれていきます。
 うれしいときや達成したときは皆で喜び、困った時は必ず誰かが助けてくれると思える心が育ち始めていていることをうれしく思います。
園長 齊藤晴彦

2021年11月26日

< 「言葉遣い」を考えよう  |  一覧へ戻る  |  ろうそく作り >

< 前ページ  |  一覧へ戻る  |  次ページ >

最近の画像

このページのトップへ

このページのトップへ

動画説明会申込フォーム