3歳の誕生日を迎え、徐々に入室してきた海組さんも、気づけば13人になりました。
保護者から離れても、幼稚園の海組が安心して過ごせる自分の居場所になってきた様子が見られます。心地よく繰り返される園生活のリズムの中で、保育者の話に耳を傾け、真っすぐな瞳で自分の思いを伝えようとする姿や、子ども同士が、かかわる事に喜びを感じられるようにもなってきています。
海組では、昼食後に ‟ごろごろタイム“という時間があります。
保育者が静かなトーンで歌いながら部屋のカーテンを閉め、シートを敷いて、電気を消して準備していく間に、子ども達は自分でタオルの入った手提げ袋を荷物掛けから持ってきて、椅子に腰かけます。上履き(子どもによっては靴下も)を脱いで椅子の下に入れ、袋からタオルをとり出します。お互いの準備が整うと、思い思いの場所にタオルを敷いて体を横たえます。
それから、保育者が子どもの足元に座り、両足を膝にのせて ♪父さん眠れ~母さん眠れ~♪ と歌いながら、その子が心地良いと感じる強さで、足の指一本一本を、しっかりと揉んでいきます。 最後に足先全体を両手で包みこみ「み~んな○○ちゃんの大事な足」と気持ちを込めて、ぎゅっと握ってあげます。幼児期の子どもは、大人のように自分の体の隅々まで認識していません。足の指は、なおのこと把握しづらいです。触れてもらう事で自分の身体を認識していき、それは自分の身体をコントロールする運動感覚の成長にもつながっていきます。
触れ合う事で、子ども達は安心感を覚え「自分は自分のままでいい」と思え、信頼感も深まるひとときです。
その後、お話が始まります。三びきのやぎのがらがらどん、桃太郎、大きなかぶ、にんじんとだいこんとごぼう…ひとつのお話が、数日間繰り返されます。なかでも、三びきのやぎのがらがらどんに出てくる歌の節が子ども達は大好きで、遊んでいる最中にもよく歌が聞こえてきました。ある時、保育室にあるおもちゃの竹のコップをヤギに見立て、テーブルの上で即興の人形劇を一度、やって見せた事がありました。するとそれから毎日のようにひとりがガラガラドンをやりたい!と見立てるおもちゃを用意し始めると、僕も私もと、あっという間に子ども達のガラガラドンの人形劇ごっこが始まりました。
2学期末に、プランターに子ども達とチューリップの球根を植えました。
翌日、登園してきた子どもがそれをみて 「先生、まだ全然咲かないね…」
チューリップの花が開花するころ、赤色さんに喜びをもって進級できるよう、その成長課程を子ども達と共に楽しんでいきたいです。
3学期もどうぞよろしくお願い致します。
海組担任 岸 有里