個から集団へ

園長コラム
 寒暖を繰り返し、体調管理に気を使う気候が続きますが、園庭の梅の花が咲き始め、少しずつ春の訪れも感じます。3学期に入り子ども達は、ますますクラスの仲間との遊びが楽しめるようになり、集団で目的を持って遊ぶ姿があちこちで見られます。年少児も「友達と一緒にしたい」という意識が強くなり、友達遊びが充実するようになってきました。お楽しみ会に向けてのライゲンでは、クラスみんなで行うことに喜びを感じ、動きに躊躇する子も、クラスの雰囲気の中でまずは「やってみよう!」と前向きに活動を行う姿が多くあります。安心できる環境の中で、仲間を意識し、主体的に動く場面が増えてきていることを嬉しく思います。
  
  言葉が出ない赤ちゃんは、周囲の大人に気持ちを察して養われ、個を認められ、大人の助けを借りながら自らの行為を自覚していきます。そして幼稚園という集団に入り、個から集団にいることへの喜びを感じていきます。しかし、急に集団の中で、「自分の意見を伝えることは大事だよ」「自分らしくていいんだよ」と言われても、子ども達は何が自分らしいか、どう自己表現したら良いか分かりません。
 子どもの発達として、海組・年少児の時は、好きなことに没頭し、自己主張をする中で、自分の気持ちに気づいていきます。そしてしだいに友達を意識し、隣で一緒の遊びをしたり、模倣をしたりします。その過程を経て、友達遊びが始まるのですが、初めは教師が中心となって各々の意見を聞きながら友達遊びをし、自分流になりすぎず、みんなが気持ちよく遊びに参加できる方法を伝えていきます。その体験が積み重なり、子ども達だけでも集団遊びができるようになっていきます。
 年中児になると、子ども同士で一緒に遊びながら、役割を分担し、お互い役割を担いながら1つの遊びを展開することで、相手の気持ちに気づいていきます。相手の気持ちがわかることで、協力して遊ぶようになってきます。
 そして年長児では、遊びの中にルールを取り入れ、子ども同士でルールを話し合うこともできるようになります。集団活動をするためには、理解力・思考力・言語力も必要になります。友達の話を理解することで、一緒に遊びやゲームを楽しむことができます。言葉で説明できる言語力が、共通理解の助けとなります。お互いの思考が交じり合うことで、より遊びに面白さが出てきます。豊かな仲間遊びが、これらの力を高めていくのです。
 
 私たちは周囲を意識するあまり、小さい頃から集団活動に誘導しすぎる傾向があります。しかし、個の遊びを充実させていくことが、集団の中での自分の居場所作りの基盤になるのです。その子らしく遊ぶことができるように,自発性を育てることが大切です。
 来週から縦割りクラスでは年齢別活動が始まります。個の思いを汲み取りながら、友達関係を存分に楽しめる活動にしていきたいと思っています。
 
園長 齊藤晴彦

2024年1月26日

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